
愛犬ココが僧帽弁閉鎖不全症と診断されてから4回目の誕生日を迎えました。
14歳の老犬です。
心臓病を宣告されたときは、かなりショックでした。
なぜショックかといえば、もちろん、死を連想してしまったからです。
なんといっても心臓の病気なのですから。
ココの場合、片方の弁がわずかに曲がっていることもわかり、そんなハンデもありました。
長生きできない…。
そう思うと、やりきれない気持でいっぱいに…。
しかし、あれから4年もココは元気で過ごしてくれています。
僧帽弁閉鎖不全症に一番大切なことは、薬を切らさないこと。
これが一番大切です。
病気を発見したら、心臓に負担がかからないように薬でカバーしてあげる。
必要以上に心臓が大きくなって、苦しくならないようにするためです。
そして、
病気とわかってから、ココが元気でいてくれるために、いくつか生活の中で工夫したことがあります。
僧帽弁閉鎖不全症の症状と、そうとわかってから、私がどんなことに気をつけてきたかをここでは書いていきます。
もし、あなたの愛犬が同じ病気だと言われても、心を病まないでください。
症状は個体差があると思いますが、共通することも多いと思います。
10個のうちの1つでも、きっと役に立ちます。
僧帽弁閉鎖不全症とは?
病気は高齢犬の小型犬に多い
僧帽弁閉鎖不全症という病気は、左心房と左心室の間にある僧帽弁という扉が、なんらかの理由できちんと閉じなくなってしまう病気です。
閉じなくなると、左心室から左心房への血液の逆流が起こります。
すると、心臓への負担が大きくなってしまいますが、それでも心臓はがんばってポンプの役目をするのです。
がんばりがきかなくなると、ポンプの役目ができなくなってしまい、全身に影響が出てきます。
進行すると心不全を起こす怖い病気ですが、犬の心臓病の中では多いとされています。
発症しやすいのは、なぜか、チワワ、マルチーズ、ポメラニアン、トイプードル、ミニチュア・ダックスフンドなど高齢の小型犬が多いのだそうです。
わが家のココもやはり小型犬で、チワワとシュナウザーのミックス犬なのです。

心臓の雑音と咳が発見のきっかけに
6歳~7歳での健康診断の際、心音の雑音で見つかることも多い病気です。
ココの場合、喉から絞るような咳をするようになったのがきっかけでした。
もし、愛犬が咳をするようになったな、と思ったら、
気管支炎ばかりでなく、心臓病も疑って早めに獣医さんに診てもらうことをおすすめします。
早期に発見し、薬を服用することで、病状の進行を送らせることができるからです。
僧帽弁閉鎖不全症は、病状が進むと苦しい病気

僧帽弁閉鎖不全症が進むとどうなるのか?
僧帽弁閉鎖不全症は症状が進んでいくと、心臓が役目を果たせなくなり肺水腫を起こすようになります。(酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなるので、呼吸が苦しくなる)
ひどくなると、息をすることが、まるで水の中にいるように苦しくなっていきます。
治療
段階的に、血管拡張剤・強心薬・利尿剤・気管支拡張薬などが投薬されます。
手術をして治ったというワンコもいるようですが、それには、病気の早期発見と飼い主さん、それに動物病院の環境がうまくかみ合わないと難しいのではないかと、個人的には感じます。
心臓の手術ですから、専門性が求められます。
僧帽弁閉鎖不全症の愛犬にしてあげている10個のこと
愛犬が心臓病と知って、心穏やかに過ごせる方はいないと思います。
高齢犬に多い病気ですから、長年ともに過ごした家族に不治の病を宣告されたのと同じなのですから。
知った瞬間はとてもつらい気持ちになりますし、その先に愛犬の苦しみが待っているのかと思うことが悲しみを増幅させます。
それが僧帽弁閉鎖不全症という病気です。
しかし、気持ちを切り替えることが大切。
だんだん受け入れて、わんこにできることをしてあげよう。
それが飼い主の役目だと思うのです。
私がココの病気を受け入れ、してきたことは、次の10個です。
無駄ではなかったと思っています。
🐕心臓病のワンコにできる10個のこと🐶
1 薬を切らさないこと
僧帽弁閉鎖不全症は薬を継続して飲むことがとても大切です。2、3日なら…、と思うことが、愛犬との別れにつながることもあるくらい、薬の存在は大きいのです。
2 過度に興奮させないこと
犬は走ることが大好きですが、絶対に超特急で走らせたりしないこと。体中の酸素が薄くなって、チアノーゼをおこしたりすることもあります。
体全体を使って、わんわん吠えることも心臓に負担をかけます。
3 太らせないこと
適正体重を守る。
人と同じで、ただでさえ肥満は心臓に悪影響です。
4 穏やかに過ごさせる
眠っているときに、無理に起こしたりしないこと。
リラックスしているときはそっと見守って。
こちらの勝手で相手をしてもらおうとしないようにします。
5 お風呂の回数を減らす
緊張の場面を減らすことで、心臓の負担を減らす。
お風呂は体力を使うので、回数を減らして体の負担も少なくしてあげたい。
6 ブラッシングを定期的に
ブラッシングは毛並を整えるというより、血行を良くするためにゆっくりしてあげます。
7 散歩の距離を短く
お散歩は愛犬に合わせて適度にすることが大切。
距離を短く、可能であれば回数を増やすなどの工夫を。
縄張りの匂いを嗅ぐことが、ワンコの仕事なので、ふだん外に出してあげている犬は散歩は必須です。
8 暑い夏は早朝に散歩・寒い冬は暖かい日中に
ワンコは地面から近い所を歩きます。
アスファルトの熱さは厳禁です。
雪や凍った道は暖かくなってから歩こう。
9 おやつを選ぶ
添加物のないもの、塩分の多いものは絶対あげない。
チーズ、おせんべい、食パンなど人間の食べるものは塩分満載なので、欲しがったらワンコ専用のものを。
10 ドッグフードを選ぶ
できれば心臓病専用のフードを選ぶ。
添加物を使用していない、良質なたんぱく質のものをあげたい。

以上がこの数年、私がココにしてあげた10個のことになります。
そのおかげで4年たった今でも、ココが元気にしてくれているのかはわかりませんが、やらないよりは絶対いい10個だと思います。
薬は毎月お金がかかりますが、やはり基本的に僧帽弁閉鎖不全症で一番大事なのは薬です。
私のする10個のことの何十倍も、何百倍も薬を飲み続けることが大切です。
毎日飲むお薬が、ココの心臓を守ってくれているのです。
ココの薬は、もはや生活費と同じ。
あって当たり前になっています。
看取る覚悟を持っておく

14歳で、今も元気で過ごしてくれているココですが…。
いつか、必ず、別れはやってきます。
ココとの別れが、突然だったりしないようにといつも思います。
毎日思います。
静かな夜に、となりで寝ているココの心音が耳に響いてきます。
だんだん心臓は大きくなってきているから、そんな音も聞こえるようになってきました。
僧帽弁閉鎖不全症は、昨日の夜は元気だったのに…と突然亡くなるケースも多い病気です。
しかし一方では、じわじわ忍び寄ってくる呼吸の苦しさを感じながら、弱っていくパターンもあります。
私がワンコを看取るのは、初めてではありません。
前の子も、その前の子も、その瞬間、名前を呼ぶと私と目を合わせてくれました。
大丈夫だよ、とそう言っている目でした。
側にいるからね、あの子たちはそういって去っていきました。
一匹のペットと出会ったことが奇跡。
毎日一緒にいることも奇跡です。
ココと過ごす時間は、奇跡の瞬間のつながりです。

ここまで読んでくださっているあなたも、きっとそう思っているはずです。
あなたのワンコは、あなたを選んで、あなたの元へ来てくれたのです。
ココに選ばれたのだと思えば、私もココが不安にならないように、しっかりそのときを覚悟しておかなければと思うのです。
いつどんなふうになっても、ちゃんと対応してあげれるように。
ココが安心してくれるように。
10このことが私と同じ立場のあなたにとって、少しでも参考になってくれると幸いです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
まる